来客の確認や防犯対策として、今やインターホンは欠かせない存在となりました。特にモニター付きインターホンや録画機能付きのモデルが登場して以来、防犯意識の高まりとともに取り付けを希望する方が増えています。
しかし、いざ取り付けを考えたときに、
「どの機種を選べばいいのか?」
「どこに頼めば工事してくれるのか?」
「費用はいくらかかるのか?」
といった疑問が浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、インターホン取り付けの流れや費用相場、そして信頼できる業者選びのポイントまで詳しく解説していきます。これから設置を検討している方も、交換を検討中の方も、ぜひ参考にしてください。
インターホンの種類と特徴を知ろう
一言で「インターホン」といっても、その種類は多岐にわたります。選び方を間違えると「使いづらい」「思っていた機能がなかった」といった不満につながることもあるため、あらかじめ各タイプの特徴や用途に合った機能性を把握しておくことが大切です。
ここでは、現在一般家庭で主流となっている代表的なインターホンの種類と、その特徴を詳しくご紹介します。
1. 呼び出し音のみの「音声タイプ」
もっともシンプルなインターホンが、音声タイプ(ドアホン)です。
このタイプは、玄関の子機(送話器・マイク付きスピーカー)から来客がボタンを押すと、室内の親機が「ピンポーン」などの音で知らせてくれます。親機には通話用のマイクとスピーカーが備えられており、音声のみで訪問者とやりとりする形式です。
【メリット】
- 構造がシンプルなため、本体価格が安く工事費も抑えられる
- 配線工事が簡単で、既存のインターホンからの置き換えも容易
- 通話だけで十分という方にはコストパフォーマンスが高い
【デメリット】
- 訪問者の顔が見えないため、不審者やセールス対応時に不安が残る
- 留守中の記録が残らないため、防犯性は高くない
この音声タイプは、集合住宅や賃貸住宅など、簡易な対応を目的とするケースで根強いニーズがあります。ただし、現代ではモニター付きタイプが主流になっていることから、音声のみのモデルは住宅新築時にはあまり採用されなくなってきています。
2. 映像で確認できる「モニター付きインターホン」

防犯性と利便性のバランスが取れているのが、モニター付きインターホン(テレビドアホン)です。
玄関子機には小型カメラが内蔵されており、室内のモニター親機に訪問者の映像がリアルタイムで映し出されるのが特徴。音声だけでなく、映像でも相手を確認できるため、特に女性やお年寄りのいる家庭において安心感が高まります。
【メリット】
- 映像によって訪問者の顔を確認できるため、防犯性が大きく向上
- 夜間でも相手を認識しやすいよう、LEDライト付きの暗視カメラを搭載した機種も多い
- モニター親機によっては、来訪履歴を画像で自動記録できるものもある
【デメリット】
- 音声タイプよりも本体価格や工事費がやや高め
- 機器の設定や操作にある程度の慣れが必要
このタイプは現在、一戸建て住宅の新築時やリフォーム時に最も多く選ばれているインターホンの形です。2020年以降は、新築住宅の9割以上がモニター付きインターホンを導入しているという統計もあり、家庭用インターホンの「標準モデル」と言えるでしょう【※参考:パナソニック調査レポート、2023年】。
3. 録画機能・スマホ連携もできる「高機能タイプ」

(画像引用:アイリスオーヤマ「みまもるドアホン」)
最近では、防犯意識の高まりやスマートホーム化の進展により、録画・遠隔応答・ネットワーク接続が可能な高機能タイプも人気を集めています。
こうしたモデルでは、インターネットやWi-Fiを通じてスマートフォンと連携し、外出先でもリアルタイムで訪問者に応答できたり、録画された映像を後から確認したりすることができます。
【代表的な機能】
- スマホアプリと連動し、外出先でも映像確認・通話応答が可能
- 長期間の録画履歴を本体やSDカードに保存できる
- センサーによって不審者の接近を検知して自動録画するモデルも登場
【メリット】
- 防犯カメラとしても代用できるレベルの映像記録能力
- 宅配便の再配達依頼や、非対面での応答が可能
- Wi-Fiがあれば配線不要のモデルもあり、設置の自由度が高い
【デメリット】
- モデルによっては本体価格が高く、5万円〜10万円以上するケースもある
- Wi-Fi環境やスマホ操作に不慣れな方にはやや扱いづらい
- 一部の製品はアプリ使用に月額料金が必要なこともある
こうした「スマートインターホン」は、共働き世帯や単身者、または子育て世帯など、防犯と利便性を両立したい方にとって非常に有効です。
また近年では、AmazonのRingやGoogle Nest、パナソニックのスマホ連携ドアホンなどが人気を集めており、スマートスピーカーやホームIoTと連動可能なモデルも増加しています。
どのインターホンが自分に合う?
インターホンの選定では、「何を重視するか」を明確にすることが重要です。
- コストを重視 → 音声タイプ
- 来訪者を映像で確認したい → モニター付きタイプ
- 防犯や外出時の応答を重視 → 録画・スマホ連携型の高機能タイプ
また、既存の配線状況やWi-Fi環境、家族構成、生活スタイルも大きく影響します。例えば、高齢のご家族がいる家庭では操作が簡単なモニター型の方が安心ですし、小さなお子さまがいるご家庭では録画機能付きで安心を強化するケースが増えています。
製品ごとの細かな違いもありますので、信頼できる電気業者に相談しながら選ぶのが、もっとも確実な方法といえるでしょう。
取り付け工事の基本的な流れとは?
インターホン設置工事はどう進む?
インターホンの取り付け工事は、機器の種類や配線の状況によって所要時間や工程が変わりますが、一般的には以下のような流れで行われます。
1. 現地調査と見積もり
まずは設置場所の状況を確認し、機器の選定や設置方法を検討します。この段階で壁の材質や既存の配線の有無、電源の確保方法などを確認し、適切な工事内容を見積もってもらいます。
2. 本体および配線の設置
インターホン本体の取り付けと同時に、必要に応じて配線工事が行われます。配線が難しい場合には、無線タイプのインターホンを選ぶケースもあります。
3. 動作確認と説明
設置が完了したら、実際に動作するかをチェックし、使い方の説明を受けて終了です。録画機能付きやスマホ連携機能がある場合には、それらの設定もこのタイミングで行われます。
インターホン取り付けにかかる費用相場

どれくらいの費用がかかる?
インターホンの取り付け工事にかかる費用は、「機器本体の価格」と「取り付け工事の費用」の合計金額となります。非常にシンプルな構造ではありますが、選ぶ機種や建物の状況によって、トータルコストは大きく変わってくるのです。
とくに「配線がすでに通っているか」「モニターの設置場所がどこか」「玄関まわりの施工のしやすさ」などによって、工事の手間や所要時間が異なるため、相場を知ると同時に、自宅に合ったプランを確認しておくことが大切でしょう。
本体価格の目安
インターホン本体の価格は、搭載されている機能やメーカーのブランド、設置タイプ(有線・無線)などによって幅があります。以下はおおまかな目安ですが、特に高機能タイプになるとオプション追加によってさらに高額になるケースもあります。
音声のみのシンプルタイプ
約5,000円〜1万円
通話機能だけのモデルは、安価な製品が多く、ホームセンターでも購入できます。
モニター付きインターホン
約1万円〜3万円
カラーモニター・録画機能ありなど、機能の豊富さで価格に差が出ます。
録画機能・スマホ連携付きの高機能モデル
約3万円〜6万円以上
クラウド録画・Wi-Fi対応・アプリ操作対応など、スマートホーム機能を重視する方向けです。
最近では、スマホから遠隔操作できるタイプや、顔認証・AI機能を搭載したモデルも登場しており、価格はそれに比例して上昇傾向にあります。パナソニック、アイホン、Ring、Google Nestなどが代表的なメーカーとして知られています。
取り付け工事費の目安
本体価格に加えて、取り付けにかかる工事費用も重要なコスト要素となります。こちらも「交換か新規設置か」によって、費用が大きく異なります。
既存インターホンからの交換工事
5,000円〜1万5,000円程度
すでに配線済みのインターホンを新しい機種に交換するだけであれば、比較的安価に済みます。所要時間は1〜2時間程度で、半日以内に完了することが多いでしょう。
新規設置(配線工事含む)
1万5,000円〜3万円程度
今までインターホンがなかった住宅や、配線を一から引く必要がある場合は、費用と作業時間が大きくなります。特に壁の中に配線を通す必要がある場合は、施工の難易度も上がります。
無線タイプの簡易取り付け
5,000円〜1万円前後(本体とは別)
Wi-Fi連携型などのワイヤレス製品の場合、複雑な配線は不要なため工事費は抑えられますが、設置後の通信設定や機器登録は専門業者に依頼することも多いです。
※注意点
賃貸住宅やマンションの場合、共用部分への取り付けや壁面工事が制限されることもあるため、事前に管理会社やオーナーの許可が必要です。また、外壁に穴をあける施工が伴う場合は、専門知識が求められるため、DIYでの設置はリスクがあるとも言えるでしょう。
見積もり時にチェックしておきたいポイント
インターホン工事を依頼する前には、以下の点を確認しておくとトラブルを防げます。
- 本体価格と工事費がセット料金かどうか
- モニターの増設・2階への中継機設置の費用
- 保証期間の有無(施工保証・機器保証)
- 既存機器の処分費用が含まれているかどうか
また、「後で録画機能を追加したくなった」といった場合には、再工事が必要になるケースもあります。そのため、将来的なライフスタイルの変化も視野に入れながら、機種選定と予算設計を行うことが大切なのです。
DIYでは難しい?プロに依頼するメリットとは

自分でできる?それとも業者に頼むべき?
インターホンは家電の一種とはいえ、設置には電気工事の知識や工具が必要です。特に新しく配線を引く必要があるケースでは、電気工事士の資格がなければ法的に施工できません。
また、DIYで取り付けた場合、万が一の故障や漏電、火災などのリスクが懸念されます。結果として修理や再施工が必要になり、かえって費用がかさむこともあるのです。
プロに依頼することで得られる安心感
専門業者に依頼すれば、以下のような点で安心できるでしょう。
- 配線や電源周りの施工が適正に行われる
- 雨風にさらされる屋外機器の防水処理も万全
- 機種に合わせた細かな設定やスマホ連携のサポートも受けられる
- 万が一の不具合にも保証対応してもらえる
インターホンは毎日使う設備だからこそ、確実な取り付けが求められるのです。
後悔しない!業者選びで気をつけたいポイント
インターホン工事はどこに頼むべき?
インターホンの取り付けは、家電量販店やホームセンター、電気工事業者などでも対応しています。ただし、価格や対応の柔軟さ、アフターサービスの充実度などは業者によって異なります。
そこで注目したいのが、住宅設備に強い地域密着型の電気業者です。小回りが利き、現地調査から施工まで丁寧に対応してくれる傾向があります。
業者選びで確認しておきたい項目
依頼先を選ぶ際には、以下の点をチェックしておくと安心です。
- 第二種電気工事士以上の有資格者が対応しているか
- 事前の見積もりが明確で、追加費用の説明があるか
- 口コミや施工実績が確認できるか
- 機種選びや操作説明にも丁寧に対応してくれるか
- 保証期間やアフター対応の有無
一見すると似たようなサービスに見えても、こうした細かな配慮の差が後々の満足度につながってくるのです。
インターホン交換時の注意点とメンテナンス方法
古いインターホンをそのまま使い続けるリスク
古いインターホンを使い続けている場合、以下のようなリスクが生じることがあります。
- 応答ができないなどの故障
- 配線の劣化によるショートや発火の危険
- 呼び出し音が聞こえにくくなる
- 映像が不鮮明で訪問者が判別できない
とくに築年数の経った住宅では、見た目に問題がなくても内部の配線が劣化していることも少なくありません。
定期的な点検と掃除が長持ちの秘訣
取り付け後も、以下のような簡単なメンテナンスを行うことでインターホンの寿命を延ばすことができます。
- 雨風にさらされる屋外機器は、汚れやゴミを定期的にふき取る
- カメラ付きモデルはレンズの曇りや傷に注意
- 室内モニターの電源や動作に異常がないか定期確認
日常的に目を向けておくだけでも、不具合の早期発見につながります。
まとめ
インターホンの取り付けは、防犯や生活の利便性に直結する重要な工事です。
- シンプルな音声タイプから高機能モデルまで用途に応じて選べる
- 配線や電源の確保には専門知識が必要で、DIYでは対応が難しいケースも多い
- 業者選びでは、資格の有無や見積もりの明確さ、施工後の保証対応が重要
- 古いインターホンは定期点検や交換を検討し、安全で快適な住まいを維持することが大切
安心して長く使えるインターホンを設置するためにも、実績豊富で信頼できる業者に相談することが何よりの近道です。
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よくある質問(Q&A)
Q. インターホンの交換だけでも依頼できますか?
A. はい、既存機器の交換工事だけでも対応可能です。機種によっては既存の配線がそのまま使えるため、費用を抑えられるケースもあります。
Q. 工事は何時間くらいで終わりますか?
A. 既存機器の交換であれば1〜2時間程度、新規設置や配線が必要な場合は半日ほどかかることもあります。
Q. 家電量販店で買ったインターホンの取り付けだけお願いできますか?
A. 多くの電気工事業者で対応可能です。製品に対応しているかどうか、事前に確認しておくと安心です。
Q. 依頼前に現地調査は必要ですか?
A. 設置場所や配線状況を確認するために、事前の現地調査が必要な場合があります。無料で対応している業者も多いので、気軽に相談してみてください。

